シアン
退職予定日まで
あと半年ぐらいあって、
仕事のモチベーションはどん底だけれども、
その先のビジョンに向かって
半年で仕事以外でやりたいことを
とりあえず片っ端からやることにした。
なんでもお金をかけたらいいってわけでもない…とおもってかなり厳選した。
身体のラインを整えること。
パーソナルトレーナーと契約。
値段はやや高いけど、自主トレは続かないのがわかっていたし、知識もなくやみくもに大手のジム通いはしたくなかったのと、ジム特有の空気が苦手なこと、かなり時間に融通がきくこと、自宅でできるトレーニングがあること、自分の目標に向けて具体的なプランを期限まで決めて提案してもらったこと、有国家資格者なので体の歪みがどこからきているのか、トレーナーよりももっとコアに、具体的に示してもらえたのが決め手だった。やるしかないのよ。
コマーシャルで、
自分史上最高の、っていうコピーがあって、その時はピンとこなかったけど、
この先もずっと整形やなんや感やしない限り、この顔でからだで性格で、
しかもなんも手をつけなければ、年齢的に右肩下がりになるばかりで、
でもちょっとがんばればまだなんとかなるかもしれない年齢にまだ立ってるような気もして、間に合うような気がして、
今の自分ががんばればどこまでできるのか、とりあえず片っ端からいろんなことを手をつけ始めた。
10代も20代もなんだかやさしい地獄にいるような日々で、やりたいことは後回しで、親の望みや他人のいう通りに生きて、楽しちゃって、
逃げられなくて、苦しくて、
せめてまた年代越えるまでに自分にしてあげられることってなんだろうと思った時に、今までの自分の中で最高を目指すことが浮かんできた。
は、いいけど最高が抽象的すぎていまいちよくわからない。
なので、ひとまずはあの頃なりたかった自分、やりたかったこと、
ひとつ年号が変わる前になにかやり遂げたいと思って。
わたしには結婚も出産も今は差し迫るものがなにもない。なにもないから自由だし不自由でもある。学生のころみたく学年があがったり進学したり、年齢ごとのイベントが自分で決めない限りあるわけじゃないし、かといって周りを見て急かされたようにいろんなことを決めるのも違う。
でも堕落と絶望の日々にさよならしたくて、周回遅れのような人生だけれど、同じ年代の人が味わい尽くしてすっかり慣れてしまったようなことも、わたしにはなにもかも新鮮に思える感覚があると思えば悲しくないのかもしれない。
見落としたりほしいのに手に入るはずないから見ないふりしてきたことを、もっと拾ってあがいて愛でてあげたっていいんじゃないかとようやく思えてきた。
平成最後の夏が来る。